崔皇后様のお心を少しでも安らかにと、私が悩んでいた事をこう意図も簡単に考えついてしまう。
この企みが成功するかいなかは別として、范丞相は私が思っている以上の方だ。
この國の為なら、悪を善とする方…。
それが宮歌國の丞相・范夷扶。
「ご理解頂けたようですな。
しかしまだ続きがございます。
貴女様だけ…ではありませんよ。」
!?
私の動揺した顔に、怪しく口角を上げる。
「貴女方軍妃を陛下の寵妃にするというのは、一石二鳥の得があるのです。
一つは、さき程申した呂貴妃の事。
もう一つは、後宮軍の強化に繋がる事。」
後宮軍の強化…
私が陛下に召された次の日、舞妃ノ宮は多くの軍妃が集まっていた。
崙矣の言った言葉が頭の中に響く。
〔皆、第二の冥紗になりたいのだろう。〕
范丞相はそれを知って…
「陛下の後宮に口を出すなど、本当は恐れ多い事。
しかし、後宮は侮ってはいけない場所です。
故に陛下も私の口出しを、承諾してくださっている。」
民達からすれば、後宮というのは夢の場所。
天子様一人の為に集められた美姫達。
女の園。
しかしその夢の様な後宮は、時に國をも揺るがす場所なのだ。

