四面楚歌-悲運の妃-




私にはまだ知らない事がある。


聖人の村の事


そして私自身の事…


崙宝がこの姿でいる事は、命を縮める事だと言った。


そうではないのかと、感じていたが確証はなかった。


聖人の村にいれば、私はすべてを教えてもらえただろうか?


冥明様はすべてを知っているのだろうか?



籠の外に出たからこそ、村への疑問を感じ、戸惑い迷わされる。



「冥紗?」


悒雉の声に、自分が呆然と立っていた事に気づく。


皆の視線が私に注がれていた。



心配そうに覗き込む悒雉に、なんでもないと首を横に振る。


「さぁ、崔皇后様の所へ行こう。」


悒雉に促され、崔皇后様を見据え足を踏み出そうとした時だった。



!!?



考えている暇などなかった



地面を強く蹴り、陛下の元まで飛び上がる



風を切る音。


少し遠くに立つ陛下に向かって来る、細長い鋭い物。


――――ッ陛下が遠い

なぜ、私はお傍を離れていたんだ

崔皇后様も隣に居られるのに


悔やんでいる場合ではない。




『陛下ッ―――――!!!』



手を引きちぎれる程伸ばす


間に合え――――――!!!!