反対に崙矣は、気にする事なくお茶を手にしている。
「そちらのお2人は、武に長けた一族の出なのです。
汀天王(テイテンオウ)の汀家は武人の家系であり、お小さい頃から武術を学び、何人もの優秀な軍妃を出しております。
親族も我が宮歌国の優秀な武人。」
范丞相の言葉に、悒雉は少し照れた様に頭を下げて微笑んだ。
家の事など軍妃同士触れる事がなかった。
范丞相から悒雉の家の話を聞かされ頷くのは、偉罨様達だけではなく、私もだった。
悒雉の父上も武人という事か…。
男も女も関係なく、一族が宮歌国の武人か…。
聖人一族と似ている…。
抱える物の重さは違っても、宮歌国を護りたいと
陛下を御護りしたいという気持ちは同じ。
悒雉も一族の名を背負っているのだ。
悒雉だけではなく、崙矣も晏惟も梛犀も…
私だけが何かを背負っているのではないのだな…
それぞれが何かを背負って此処にいる。
私はなんて弱い人間だったのだろうか。
聖人である事に
聖人である重さに
嘆いてばかりだった…。
なぜそんな事も気付かなかったのだろうか。
私は気付かない事が多すぎる。

