四面楚歌-悲運の妃-





揺らぐ私の体を、崙宝の腕が受け止める。


印で封じられてすぐは、息もままならず、崙宝の腕に頼らずに立てない。


「忘れるな、冥紗。
その姿で居続ける事は、命を縮めるという事をな…。」



ッ!?


無表情で低く放たれる言葉に、体が硬直する。


知らなかった…いや、気づかないふりをしていた。


どこかでわかっていたが、認めたくはなかった。


しかし、私は長く生きようなどと思ってはいない。


この命がつきるまで、陛下を護り生きるだけ…。



長く生かせたいのは、聖人の村の人達だ。



「わしらは仲間である冥紗を、早く亡くしたくはないぞ。」


俚督はそばに来てそう言うと、崙宝の腕に倒れこむ私を支え起こす。


俚督…。


わかっている。



偉罨様に俚督…そして崙宝


聖人達は私が七神であるから生かせたい訳じゃない。


仲間であるから、私を亡くしたくないと思っている事を…。



2人の顔を交互に見つめ、笑顔で頷く。


相変わらず崙宝は無表情だが、小さく頷き、俚督は笑顔を返す。


「さて、偉罨様も戸惑っている事だろう。
そろそろ表に戻り手合わせを演じよう。」


俚督の言葉に、崙宝は瞼を伏せた。