四面楚歌-悲運の妃-




身体が老いなくとも、生はいつか尽きてしまうと分かっている。



仮面の姿の私を受け入れてくださった陛下は、きっとこの姿さえも受け入れてくださるだろう…。



けれど、


掟にも縛られず、何にも縛られずにいても


最期の時まで老いぬ身体は、私が七神・生姫である事から逃れられない事を、わからされるだろう。

ならば、私はこのままでいい。


聖人の村出た私には、今は偽りの姿こそが私だ。




『話はそれだけか…?崙宝。
それなれば早く印を元に戻し、影を解いて。
外の陛下達は何事かと、怪しまれる。』



一息ついて冷静になり、崙宝に言った。


崙宝はしばらく何も言わずに、ただ私を見つめる。


再び問い掛けようと、口を開きかけた時、漸く崙宝の言葉が発せられる。



「皇帝の寵を貰ったと聞いた。
黄秦帝は人を見る目がある様だ。」


問いの応えを言わずそう呟き、そっと私の朱い華の印に触れる。


またまわりを白い煙りにまかれ、力が押し込まれる感覚が身体を巡る。


次第に身体は偽りの姿へと戻る。