陛下は笑顔で「よい、よい」と言って、焦る偉罨様を宥めた。


「冥紗、影聖君からご指名だが、どうする?
そなたに任せる。」



どうするも何も…なぜ崙宝は急に…。


偉罨様を見ると、すまないという顔をされる。



断る事も出来ようが、崙宝の意図が気になる。



『はい…。
私は構いません。』


私が答えると、先程まで料理に夢中になっていた俚督が急に立ち上がり、私に向かって口を開く。


「吾も求むッ!」



り、俚督…!?



また焦り出す偉罨様とは逆に、陛下の笑い声が響く。



「冥紗は聖人方に人気の様だ。
私は素晴らしい軍妃将軍を持ったものだ。」


范丞相も賛同し頷く。


「お二人相手で構いませんか?琴軍妃将軍。
よければ、場を移動させましょう。」



范丞相の言葉に、戸惑いつつも頭を立てに振った。


偉罨様が私と話す為にしたように、崙宝と俚督も話したいのかもしれない。


范丞相の言葉で、女官と宦官が動きだし、準備が整うと、偉罨様と手合わせした場所へと皆が移動する。