偉罨様が祝着の言葉を述べている最中、崙宝が私の方に顔を向け、無表情で私を見つめる。
崙矣と同じく、常に無表情で感情を表に出さない崙宝。
名も似ているが、性格も似ている気がする…。
崙宝に向けた視線を隣の崙矣へと移す。
「同じ匂いがする…」
私にしか聞こえないくらいの小さな声で、崙矣が言った。
崙矣の視線の先は、まだ私を見る崙宝。
似ているが、少し違う。
崙矣はまだ崙宝に比べれば人間らしい。
「聖大紳・雲聖君・影聖君、礼を申します。
硬い事はこれまでにして、ゆっくりしていってください。
あちらの室に、宴席を設けておりますのでどおぞ。」
崔皇后様の声に、崙宝との視線をきり、陛下と崔皇后様へ意識を戻す。
3人は揃って、陛下と崔皇后様に頭を下げ、江丞相に連れられ室を移動する。
陛下と崔皇后様も移動を始めたので、私達もそれに列なりついて行く。
「聖人様方と話せるのかな?
話してみたい!」
悒雉は興奮を抑えつつ、私に小さな声で言った。
曖昧に微笑み返す私に、崙矣が肩を軽く叩き、私ごしに悒雉を覗きこむ。
「悒雉、あまりはしゃぐと失礼だ。
自ら話しかけてはならぬぞ。」

