四面楚歌-悲運の妃-




雲聖君!?


偉罨様に続いて室に入って来たのは、最後に見た時より幼さの抜けた俚督。


[雲]の属性・雲聖君こと曼俚督(マンリトク)だ。


通りすぎざまに、横目で私を見ると、口の端をあげて笑った。



俚督…。



やはり私の事を偉罨様に聞いているか。



2人は陛下の前に並んでたち、江丞相は范丞相のとなりに並んだ。



あれ…?



偉罨様の他に2人くるんじゃ…



「聖大紳・雲聖君よく参られた。
3人で参ると聞いておったが…。」


陛下の言葉に江丞相は今気付いた様にハッとする。


視線を泳がせ、言葉が出ないのか魚の様に口をパクパクと動かす。


そんな江丞相に偉罨様は大丈夫だという様に、片手を江丞相に向けてあげると、陛下に向き合う。


「はい、3人で参りました。
もう1人もここにおります。」



不思議な顔をする皆と逆に、笑顔で視線を足元に向ける。



!?



まさか…



俚督と視線が合うと、また口の端をあげて笑った。




「影聖君、姿を現しなさい。」