四面楚歌-悲運の妃-




『…きょッ…姜賢妃…様…。』


痛さを堪えて声を出すと、姜賢妃様がハッとした様に目を見開く。


掴まれた腕は離され、何も言わずに裾を翻し室へと戻って行った。



あの時の姜賢妃は…身震いがする程恐ろしかったが


なぜか悲しそうにも見えた。



姜賢妃も何かと戦っているのだろうか?



それは嫉妬なのか…


陰謀なのか…


わからない。



「琴昭儀様?
お着替えはなさいますか?
聖人様方との謁見のご衣裳はどの様に?」



どれくらいぼんやりと考えていてしまったのだろうか?



突然かけられる威仔の言葉に驚く。



ああ、もう準備をしなくてはならない刻か…。


今日は偉罨様とお会い出来る日ではないか。


それに他の聖人2人とも会うのだ、しっかりしなければ。



『動きやすく、質素すぎぬ物で…。』


威仔にそう答えると、にこやかに返事をして着替えをとりにいく。


腰ひもから生聖を抜き取り、棚に置く。


鞘に指を這わせ目を瞑り、様々な事が巡る頭を落ち着かせる。



さぁ、私は私の今すべき事を成さねば。