四面楚歌-悲運の妃-




陛下より少し早く起きて、朝政にいかれる準備を手伝う。


途中で起こされる事がなかった事に、崔皇后様になにもなかったのだとホッとする。



私自身が何を想ってしまっていても、崔皇后様を裏切る事は出来ないししない。


例え嫉妬をしてしまっても、私にとっては崔皇后様も、陛下と同じくらい大事な方だ。


「陛下、そろそろ…。」



壁内侍が陛下に声をかけると同時、私を迎えに来た威仔が姿を見せる。


陛下に頭を下げ、威仔の元に行こうとすると、腕を掴まれ引き寄せられる。


ッ!?



「また後で聖大神達との謁見で会おう。
紅蕭の護衛の後に、また壁内侍を使わす。
今宵も、黄麟殿で待っておる…。」



耳元で囁かれる言葉に、昨夜の熱を思い出してしまう。


小さく頭を縦に振ると、ゆっくり腕がほどかれ、陛下は壁内侍と共に黄麟殿を後にする。




「何か嬉しいお言葉をかけられたのですか?」


威仔に声をかけられ、ハッとする。


今宵も私を召してくださると、言ってくださった言葉が、嬉しくて隠せず顔に出てしまっていた。



私は緩んだ顔を引き締め、威仔の背中を押し黄麟殿を出た。