私の本当の心…
すべて思うがままに、感情まかせに言ってしまえばどんなに楽になるだろうか。
しかし言ってしまえば抑えていた物が、解き放たれてしまいそうで怖い。
けれど、陛下の問いを無視し続ける訳にはいかない。
『…私は陛下をお慕いしているから、ここにいるのです。
それに嘘偽りなどございません。
陛下は何に戸惑い、不安を抱かれているのですか?』
陛下の手に自らの手をそっと重ね問う。
陛下の瞳が揺らぎ、重ねれた手はしっかりと握られる。
「…わからぬのだ。」
聞き取れるか取れないくらいの小さな声が上から、ふってくる。
「わからぬのだよ…。
紅蕭が懐妊し、私にも子が出来た事に喜びを感じるが、それは皇帝としての私だ。
稜禀としての私は、戸惑っているのだ。」
その言葉の意味がわからず、『なぜ…?』と口から漏れる。
「皇帝として世継ぎを作らねばならない。
その為の後宮だ。
世継ぎが生まれれば、皆が安心する。
しかし紅蕭とは、それだけの仲なのだ…。
愛しく思わぬ訳ではないが、心から求めている訳ではない。」

