四面楚歌-悲運の妃-




弱々しく発せられる言葉に、相変わらず反応出来ない。


首筋に陛下の熱にぼんやりしだす頭で、必死に言われた言葉を1つずつ考える。


[求めるのは私だけか?]


なぜ、そんな事を?


この後宮で陛下を求めない者などいない。


それはもちろん私も…。



[私の子を宿した、紅蕭に嫉妬はせぬのか?]



陛下には御子が1人もおらず、皇太子が決まっていない。


やっと跡継ぎが生まれるかもしれない。


しかも皇后腹だ。


国にとっても陛下にとっても、皇后が産んだ御子が皇太子となる事が1番いい。



崔皇后様に嫉妬?


とんでもない…


最良の御方が、陛下の御子を宿しているのに、私が嫉妬など…



しては…いけない…。




首筋から熱が離れると、陛下はまた私を見下ろし、頬にそっと指先が触れる。



「そなたは私や紅蕭に忠誠だ。
私が求めれば拒まぬだろう。
紅蕭に楯突く事はないだろう。
本当の冥紗の心はどうなのだ?
私の妃として答えてくれ…。」



仮面をなぞりながら、答えを求める陛下の言葉に、思わず体がビクリとする。