笑顔で言葉を返す私に、陛下は眉を寄せ、いつもより低い声で言った。
「私だけか…」
??
私は何か、気に障る事を行ってしまっただろうか?
『申し訳ありま…きゃっ!?』
謝ろうとすると、急に体が浮いた。
え??
陛下は無言で私を抱き上げ、室を移動しはじめる。
『へ、陛下?』
声をかけても何も反応がなく、視線さえ合わせてくれない。
戸惑いながらも、陛下の反応を待っていると、寝室へと移動し寝台の上に寝かされた。
陛下は私を見下ろす様に覆い被さる。
『陛下…?』
もう一度呼ぶと、陛下の手が顔を包む。
「なぜそんなに物分かりがいいのだ。
なぜそんなに…私や紅蕭に忠誠を尽くす…。
確かに…その忠誠心があるからこそ、そなたを信じ、求めた。」
悲痛に歪ませた美しい顔に見下ろされ戸惑い、言葉を返せない。
頬に置かれていた手が、ゆっくりと下に移動し、私の腰ひもにさされた生聖を抜きとり、枕元に置くと言葉を続ける。
「この香に惑わされ、求めるのは私だけか?
そなたは…私を求めてはくれぬのか?
私の子を宿した、紅蕭に嫉妬はせぬのか?」
首筋に顔を埋め、陛下の吐息を首筋に感じる。

