江丞相の発言に范丞相が不思議に思ったのか、私の代わりに口を開いた。
「何を言っているのです、江殿。
琴軍妃将軍があの琴家と関係があるはずがないでしょう。
琴軍妃将軍の身元は、宦官・楚邑藍より報告されている。
江殿も見られたでしょう?
それに琴家に関しては、江殿の知らぬ事はないはず。」
眉を寄せて怪訝そうに言った范丞相に、江丞相は目を伏せた。
「いえ…大変な武才をお持ちの琴軍妃将軍故に、違うと分かっていても聞いて見たかったのです。」
江丞相の言葉に、范丞相は呆れた様に溜め息を吐いた。
范丞相は特に気にしていない様だが、問いの真意が掴めぬ言い方だ…。
そんな理由で聞く事だろうか?
この方は何を知っている?
「まあ、いいでしょう。
私達はこれで退出いたします。
琴昭儀様は、陛下とごゆっくり…。」
范丞相はに江丞相に目配せすると、2人は陛下に頭を下げて室を出ていく。
陛下と…ごゆっくり?
それは…今宵は陛下とご一緒にいられるという事…?
先程の江丞相の話が頭から吹き飛び、陛下と夜を共にするかもしれないという事に埋め尽くされる。

