四面楚歌-悲運の妃-





偉罨様以外の聖人に会うのは3年ぶり…。


いや…もう4年近くだ。


不安がまったくない訳ではないが、明日を楽しみにしておこう。



『では明日、聖人様方と謁見する事を心得ておきます。』



軽く会釈をし、江丞相に言う。


私が断れるはずもないのに、不安だったのだろうか?


江丞相は安心した様に顔をほころばせた。


視線を陛下に向けると、いつもの如く優しく微笑まれている。


私がここに来たのはこの為だけだろう。


名残惜しいが話は終わった。



早々に退出をしよう…。


退出の挨拶を口に出そうとすると、先に放たれた言葉に口をつぐむ。


「それと…これは個人的に聞きたい事なのですが…。」


江丞相が再度私と向き合うと、遠慮がちに言葉を続けた。



「琴軍妃将軍様は、あの琴家とは関係がないのですよね?」



!?


あの琴家とは、冥明様の血族の琴家の事を言っているのか?


琴の姓など、そんなに珍しくもないはずだ。


それに私は小さな村から軍妃候補としてやって来た。



生姫の生家として、栄えた琴家に繋がる事はない。