汪軍妃官が出て行った後、5人で話し合い、今からの護衛は私がする事になった。
すぐに汪軍妃官から送られた宦官4人が、皇后宮の回りに配備され、私は崔皇后様のお近くに常に護衛をする。
私が崔皇后様の所へ再び行った頃には、陛下も范丞相もすでに退室していなかった。
陛下も范丞相もお忙しいのだ。
皇后宮の回りに宦官がいる事によって、後宮ではすぐに何事かと騒ぎ始めた。
崔皇后様が陛下に懐妊したと報告した事により
陽が真上に来た頃には、すでに後宮を含めた宮中に、皇后懐妊は知れ渡っていた。
私は崔皇后様の傍らに立ち、一針一針を丁寧に刺しながら刺繍をする崔皇后様の手元を見ていた。
普通の妃は刺繍をしたりして、1日を過ごすのだろうか?
私は舞妃ノ宮で四天王達と鍛練に勤しんだり、李燗や威仔と話したり、軍妃将軍としての役目などをする事しかしらない。
刺繍などやった事もなければ、教わる事もなかった。
幼い頃から武術に明け暮れ、強くなる事だけを考えていた。
私は戦う事しか知らずに生きてきたのか…
「見ていて退屈ではありませんか?」

