その揺れに一瞬顔が歪む。
私は頭を下げられる価値のない聖人だ。
村を抜け、後宮に入り、陛下を慕い…妃としての幸せを感じた、ただの女人だ…。
威仔の肩を掴み、ひれ伏す身体を持ち上げた。
『私は今はただの軍妃なのです。
お願いです。
今まで通りにして欲しい。』
そう言い微笑むと、威仔は何度も頷きながら「ありがとうございます。」と呟いた。
そのまま威仔を支えながら椅子に腰かけると、李燗が仮面を差し出して来た。
仮面を受け取り、再び装着すると、李燗も向かい合って椅子に座った。
「欺前軍妃将軍が言ってた。
七神が後宮に入る事はないと…。
なぜ、後宮にいるの?」
七神と打ち明けたのだ、なぜ後宮いるのかを隠す必要がない。
私が頷くと、隣に座る威仔が急に椅子から立ち上がった。
「す、すぐにお茶を入れ直してまいります!
ですから…ッ、私もそのお話、聞いてもいいですか!?」
『もちろん…。』
そう答えると、ホッとした様に顔をほころばせ、お茶を入れ直しに行った。

