四面楚歌-悲運の妃-





そう言い笑いかけると、狄洙様の強張っていた顔が少し和らぐ。


「本当はお怖い方なのだと、思っていました。
心の奥底では、私は寵妃なのになぜ迎親をし、呂貴妃様にあの様な仕打ちをと、怒ってらっしゃるのかと…。
けれど、本当の琴昭儀様は怖い方ではないのですね。
陛下がお呼びする訳がわかりました。」


今まで気まずそうに泳がされていた目が、しっかりと私を捉え言う。



狄洙様は知らないけれど、私達は姉妹。


実の姉に恐れられるのは悲しい。


初めて私に笑いかけられる笑顔に、私も胸を撫でおろす。


様子を見ている李燗も笑顔になる。



「厚かましいですが、私の様に見た目だけで恐れ、蔑む人が他にもいるでしょうし…。
仮面をお取りになられた方が良いのでは?」


心配する様に眉を下げ問う。


李燗もその事に賛同する様に頷く。


李燗達は気になるけれど、仮面の事を深くは聞かないでいてくれる。


けれど本当は聞きたいのだろう。


表向きは、軍妃になるのを反対した冥明様が、仮面をつければ、軍妃になれないと思い、つけさせただけという事になっている。