李燗は一気に話すと、一息ついてからにっこりと笑った。
その李燗が官職を賜る為の試験の際に、言った事を思い出す。
〔私はね、冥紗達の様に武術に長けてるはけじゃない。それが悔しくもあり、寂しかったの。〕
〔私はだからッ…武軍師の話だけは真面目に聞いた。…私は刃を交える事ではなく、後宮軍の軍師になって…冥紗達を支えるよ!〕
李燗が陛下の寵妃になりたいと、私は誰よりも知っていた。
その李燗からの言葉が、彼女の舞妃ノ宮での成長を表した。
成長をしても軍妃になると決めた時から、[寵妃になりたい]という思いを募らす李燗から、そんな言葉を聞くなんて…。
胸がいっぱいになり、思わず涙が出そうになる。
私はこんなにも仲間に恵まれている。
後宮はそう悪い事ばかりではない。
涙ぐむ目で、李燗に頷きながら笑顔を返す。
「いずれ私も、冥紗の仲間入りするわ。
仲良く陛下を取り合いましょ。」
人差し指を空で上下に振りながら、満面の笑みで言う。
2人で笑い合っていると、威仔がお茶を持ってきた。