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「冥紗ッ!!」


室に帰ってしばらくすると、李燗が勢いよく室に入って来た。


「憧充容様!困ります。
ちゃんと私がお取り次ぎしてから入室してください!」


李燗の後から威仔が、そう言いながら慌てて追いかけてくる。



威仔の注意もお構い無しに李燗は室の奥へ入り、私の前にある椅子に腰掛けた。


落ち着かせる様に一息つくと、口をあけた。



「昨夜、陛下と共にしたって本当?」


李燗は私をまっすぐ見つめ、答えを促す様に身を乗り出す。



私が縦に頭を振ると同時に、李燗の手が私の肩を掴んだ。


!?


「羨ましい〜ッ!!
ね、どんなだった?
ねぇ?ねぇ!?」


私の身体を左右に揺さぶりながら、興奮した様に言う。


り、李燗…


興奮する李燗は、さらに口を動かす。



「冥紗が黄麟殿に呼ばれたって、後宮中騒ぎになってる。
そりゃ嫉妬してないって言ったら嘘だけど
私も四天王のみんなも、陛下が冥紗に惹かれる理由わかってる。
むしろ陛下が仮面の姿を気にせず、冥紗を呼んだ事に感動してるくらい!」