私の言葉に、楚殿は安堵の表情みせた。


「そなたは太子殿下の御身の為に必要と思った故、後宮に連れて行く。
しかし、後宮に連れていく限りは聞いておきたかったのだ。」


そう言って微笑んだ。


楚殿は良い人だ。


きっとすべての宦官がこんな人ではない。


私は運良く、楚殿に導かれて後宮に行くのだ。


心優しき稜稟公子様は、きっと後に楚殿を気に入る。


そんな気がする。


「太子殿下の即位式は私達が後宮に着いた日にちょうど行われる。
明日、太子殿下は天子様になられるのだ。
各地の軍妃候補が集まり終わるのは3日後。
それから後宮について三月学び、そして官職を賜る。
すでに皇后と他の妃は決まっておるがな…。」


軍妃ではない妃は主に貴族から輩出され、皇后は決まっている。


それに李燗は不満そうであったが、明日の為に私と李燗は眠りについた。




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