崔皇后様が言っておられた言葉を思い出す



[恢長公子は陛下程ではございませんが、学問も武術もお出来になられます。
呂貴妃ではなく恢長公子自身が、謀反の意志を固めれば、恢長公子に付く臣が現れる。そうなれば…]


お会いできたからといって、謀反の意志があるかどうかなんてわからないかもしれない。


少しでも垣間見る事が出来るのなら…



私は范丞相の顔を見るて、しっかり頷いた。


そんな私にホッとしたのか、范丞相も笑顔で頷く。



「何も情報もなく、護衛する訳には行きませんから、恢長公子様の妃になられる方の事をお教えいたします。

上流貴族である櫂家の息女で、名を櫂 狄洙(カイ テキシュ)様と申して、恢長公子様より2つ下です。」


上流貴族・櫂家?


私は貴族に詳しくないからわからないが、きっと名の知れた貴族なのだろう。


恢長公子様の2つ下という事は、私より3つ年上という事になる。


上流貴族のご息女といえば、陛下の妃嬪の中では崔皇后様がそうだ。


崔皇后様が貴族の娘のほとんどは、幼少の頃より、皇族に嫁ぐ為に育てられると言っていた。


櫂家のご息女もおそらく、そうなのだろう。