顔を上げると、崔皇后様も呉淑妃様も笑顔で私を見た。
私と力を合わせ陛下を、国を守るのは、四天王や李燗達軍妃だけではない…。
こうして崔皇后様達とも力を合わせなければ、この後宮も陛下も何もかも守れない。
私1人で何とかしようとしてはだめなのだ…。
皇后様に気づかされるなど、やはり私は未熟者だ。
未熟者だからこそ、力を合わせ、日々私自身も成長しなければならない。
「琴軍妃将軍はお噂通りの方ですね。忠義心が厚く、身も心も強い方。
私は今まで、子の郢節(エイセツ)と自分の身の為知らぬふりをしてまいりました。
けれど逃げてばかりでは冥土で亡くなった黄宋帝にも顔向けできません。
私が知っている限りの事をお教えいたしましょう。」
呉淑妃様…
『ありがとうございます。その恩に報い、貴女様も郢節公子様もお守りいたします。』
私の言葉に笑顔で返すと、ゆっくりと話をはじめた。
―――――――…

