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次の日。私はまた雪かきの音で目が覚めた。布団の中に入れた湯タンポがまだ微かに暖かかったけれど部屋にいるのに吐く息が白い。

カーテンを少しだけ開けると窓についた結露が流れてきて、今日は一段と気温が低そうだ。

布団から出ると一気に体温を奪われて、また毛布の中に戻りたい気分。それでも厚手の上着を着て私は玄関に向かった。


「おばあちゃん、おはよう」


昨日の夜、私はなかなか寝つけなかった。

だから自分が寝ていたのかどうかの境界線が曖昧だけど、夜が明けたタイミングを知らないからきっといつの間にか寝ていたんだろう。

あれから俚斗と別れて私はすぐに奇病について検索してみた。

なんだかアニメや漫画、二次創作のものばかりがヒットして諦めかけていたところに昨日俚斗が言っていた病名を発見した。


【――IceHailSyndrome
アイスヘイルシンドローム】


【非科学的に発病する謎の奇病。

身体が氷のように冷たく、その体温は氷点下に達するため柔らかいもの、熱があるもの、とくに通常の体温の人間に触れると火傷のような症状を負わせることがある。

1964年に初めて欧米で確認されて以来、複数の症状をもつ患者が確認されたがいまだにはっきりとした原因はわかっていない。尚、有効的な治療法はないとされている】


そんな文面が書かれていて、動揺したのは次の言葉。それは俚斗が説明してくれなかった部分。


【この奇病にかかった患者は通常では生存するのが難しい体温で生きているため、内部の肝機能などに重大な障害を引き起こす。過去に見つかった患者はどれも発病から5年以内に死亡していて、それ以上に生きた事例は現在のところ確認できていない】