「小枝、俺ね、家族を失って、この奇病になってずっとひとりだった。だからきっとひとりで終わりの日を迎えるんだろうって思ってた」

俚斗は空一面に広がる赤色のオーロラを見つめている。


「でも、小枝の腕の中で終わりにできるなんて、こんな幸せなことはないよ」

「……俚斗……っ」

ポタポタと、私の涙が俚斗の頬に落ちていく。


きみに心配をかけないように、安心してもらえるように、最後くらいは笑っていようと決めたのに、やっぱりダメだった。

そんな私を見上げて、俚斗はゆっくりと私の涙を指で拭う。俚斗の指先が優しく頬に触れるから、私はその手をギュッと握った。


「……っ、離れたくないよ」

きみは出逢ったころから雪のように真っ白で、振り向いたらいなくってしまうような、そんな儚い存在だった。

だから、いつかはこんな日が来ると思っていた。

でも、ごめん。ぜんぜん覚悟なんてできてない。


俚斗を連れていかないで。

手の届かない場所に行かないで。