車にいるモノ

「え?ママ、誰だか分かる?」
「ええ、私もよく知っている子だわ。その生霊の行動もバッチリ見えたわ」

自分の車に生霊が乗っていたことに、ゾッとした私は、恐る恐るママに相手を尋ねた。

「…その人は、私の車で何をしてたの?」
「それはね…」

ママの言葉に私が固唾をのむと、深刻な表情から一変させ、笑顔で告げた。

「あなたの生霊よ。スマホをいじっていただけだから、安心しなさい」

END