その話は隣の国である我々ラグーン帝国にも響く程の物で、末姫は兄弟にとても慈しみ愛されその力故に皆が守るべく鍛えに鍛えたと。


陛下になった長兄は国内トップとして、王妃とともに庇護している。

またその守護には王立騎士団を配備しそこのツートップの団長と副団長は長女とその連れ合いという事だし、魔法師団の団長と第一部隊の隊長は双子の兄であり、魔法での守りも抜かりないと聞く。


ここまで守られてたら、正真正銘の箱入りのお姫様である。


その容姿、年齢も非公開。
末姫である事だけが知られる、神秘の姫である。



そんな風にシルベスターの有名な末姫について考えていたら



「私がお会いした時はまだまだ可愛らしいお嬢さんでしたが、その当時で当代きっての白魔法の使い手でしたからね。可愛いだけのお嬢さんではありませんでしたが。今は、素敵なレディになってる事でしょう」



サラリと爆弾発言するのは相変わらずである。
そのもたらされた情報に思わず目を見開いてしまった。


「まぁ、多分あなたも近いうちに会うことになるでしょうから失礼の無いように頼みますよ。竜騎士団団長、ガルドウィン殿」

実に清々しい笑顔を添えて、宰相は告げる。


「ま、貴方なら問題にならないと思いますが。部下達の躾を頼みますよ!」


そう言われたので、ガルドウィンもサラリと返す。


「見た目が良いって事だな?シルベスターの王族は、美形で有名だからな」


思わず顎に手を当てて答えると


「そういう事です。若いのの手綱さばきはお任せします」


「承知した」


そう言って礼をして宰相執務室を出た。


「ガルドウィンもあんなに見た目が良くて優しいから人気があるのに、ちっともいい話を聞きませんねぇ。そろそろ、身を固めるお年頃でしょうに」


本人目の前にしては言わないが少し心配なのは歳上の友人としての気遣いだ。


そんなヒューバートは愛妻家で有名であり、妻と我が子をこよなく愛する良き夫であり父である。