白雪が、囚われてるのに立ち向かうなんて白雪が危ないのなんて、誰もが分かることなのにーー


男はナイフをポケットから取り出して、白雪に振りかざす。


「白雪!!!!!!」



海の声がこだまする。



目を見張る白雪に頭上に迫るナイフーー



「………ぐっ、俺のもんに傷つけたら



許さねーよ?」





ナイフを片手で掴む颯が、そう呟く。



刃を弾き飛ばしたナイフは、地面に叩き落とされる。


油断した男の腹に膝蹴りを御見舞いするとよろけ、白雪が投げ出される。



「きゃっ。」


か弱い小さな白雪をグイっと抱き寄せたのは、颯だった。