むやみに手を出せば白雪が危ない、そう思ったから。


「いってー、油断したし。


白雪!!白雪を離せ!」


睨んで威嚇する海の顔がみるみる歪む。


舌を鎖骨に、這わせる男に涙目になる白雪。


震えて泣いてる白雪が、居て相手が憎くて憎くて仕方ない。


殴って顔の形が分からないほど殴って、白雪を見れないようにしたいなんて俺のエゴだ。


きっとみんなそう思った。

「離せよ、ソイツニーーフレルナ」


こんな気持ちなら知りたく無かった。


この気持ちが、憎悪なら俺は今最悪だ。


「颯!?」