「柊くん、どうして」


「大丈夫か?」



口数は少ないけど、私の手を握る柊くんに怖い所なんてない。


彼はたしかに、強くて優しかった。



「教室までたどり着かなそうだったから、新が迎えにいけって。案の定だな」


彼は笑った。


本当は、俺が心配だった。


照れ臭くて言えないだけで、スマートに言える新が逆に羨ましく思える。