「颯、お前白雪に何してた」


冷たい声の海くんに、思わず体をビクリと震わす。



口元が少し切れた颯が、ニヤリ、と笑う。



「キスしたよ。いけない?」


こんな自己中な発言。今まで、言ったことがない。


常に仲間を想いあうそんなやつだったから。


「白雪は、俺のだ。白雪には、誰にも触れられたくない。


たとえ、颯でも、渡さないーー」



ドキン、と高鳴る胸を抑え私は海くんと手を繋ぎ、砂浜を歩いた。