核心を衝かれて、真紅と黎は顔を見合わせた。


黎が、軽く肯く。


「最初に逢ったとき、真紅は出血多量で瀕死の状態でした。俺は、その真紅の血を吸いました」


「「「………」」」


「そのとき、黎は反対に、私に自分の血を送ってくれたんです。

その頃は、私はまだ影小路のことも知らないし、桜木が退鬼師であるということも知りませんでした。

私の中に鬼人である黎の血が流れて、退鬼師としての血が、黎の血にあった鬼性を祓いました。

黎の中に流れていた私の血にも鳴動して、黎の中から鬼性を祓ってしまったんです」


「「「………」」」