「当時は、そうするよりほかに真紅と一緒にいられない状況でした。

俺から鬼性が消え、今は陰陽師であり退鬼師の血を持つ真紅と一緒にいることが出来ます。

……誠さんと美愛さんには感謝しています。お二人がここにいなかったら、俺が鬼性を継いでいなければ、真紅と出逢うことは出来ませんでした」
 

真っ直ぐ向いた言葉に、誠と美愛は驚きを隠さず目をみはった。


「……まさかお前からそんな言葉を聞こうとはな……。

黎、真紅さん。小埜殿から概要は聞いているが、どうして黎から鬼性がなくなったか、詳しい説明はされていない。

本人たちからいずれ、と言われたままにごされている……。聞かせてもらえるか?」