好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】



真紅の要請に、黒藤は細く息を吐いた。


「……わかった。澪、どこか人の入らない部屋を空けてもらえるか? 出来るだけオペ室に近い方がいい。

澪はそのまま海雨の家族と待っていろ。真紅は黎が落ち着かせてるとでも言い訳しておけ。黎は俺たちと一緒に来い」
 

黒藤の手早い指示に、澪が肯く。


「中からも施錠出来る部屋があります。そこへ」
 

促されて、澪に続く。


黎が、黙って真紅の方を見ないまま、真紅の手を握って来た。


それだけで、すとんと真紅の気持ちが落ち着いた。


今まで荒れまくっていた感情が、少しずつ普段の呼吸を取り戻していくようだ。


昨日、黎と言い合いになってから気分は落ち込んでいた。


海雨の連絡を受けて更に沈んでいた。


……けれど、少し元気を取り戻した気がする。