好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】




海雨の状態に変化があった。
 

昼休みに海雨の母から直接電話をもらった真紅は、教師への言い訳もそこそこに学校を飛び出した。


架や黒藤に説明する余裕もなく、言伝を涙雨に頼んで紅姫と二人病院へ駆けた。


途中で、時空の妖異である涙雨を頼れば秒間もなく病院へたどり着けることに思い至ったが、学校でそこまで考えは及ばなかった。


奥歯を噛みしめてただ駆ける。
 

病室へ入ると海雨も海雨の母の姿もなく、ナースセンターで看護師を捕まえて、海雨がいる場所を訊き出した。
 

手術中の紅いランプの点いた扉の前のベンチに座り込む二人の姿があった。


「おばさんっ、おじさんっ!」
 

真紅が駆け寄ると、二人が顔をあげた。