好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】



真紅がたたずんでいた女性に向かって声をかけると、ぽんっとその姿は三毛猫に変わった。


紅姫は真紅の許まで駆けてから文句を垂れた。


《巫女様っ。かようなやり方、いい加減お止めください! 巫女様に何かあったら紅はどうすればいいんですかっ》
 

紅姫は、今回の昇華対象が真紅に対して攻撃をしたことを気に病んでいた。


紅姫は、攻撃や防御の術(すべ)を持たない。変化の妖異でしかないからだ。


「ごめんごめん。でも、今のとここれが私に合ってるから。紅が気を引いてくれるおかげで、私は安心して呪縛紋(じゅばくもん)張れるし」
 

紅姫が、対象の胸中にある姿――気を引く姿――に変化して意識を向けさせる。


その隙をついて真紅が、対象の行動を封じる術を発動させる。


『紅姫』が真紅と出逢い式になってから、二週間。真紅はこのスタイルを作っていた。