好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】



影はその現象に驚いたのか、身を引くような動作をした。


「残念ながら」
 

真紅はパサリと扇を開く。


「五行(ごぎょう)に準ずる攻撃は受け付けません。『過去の私たち』が、この魂にそう刻んでしまったので」
 

真紅は無表情で淡々と語る。
 

五行――木火土金水(もっかどごんすい)が生みだす攻撃は効かない。


先ほど影が真紅に向けたのは、風を刃のようにしたものだ。
 

抗う術がない。そう感じたのか、影は足掻くことを止めた。


《……違うんだ》
 

長い沈黙のあと、影は声を押し出した。