確かに、と黎も思う。
海雨に対して誠実を貫くなら澪は、その関係になる前提の気持ちも伝えるべきだっただろう。
「………」
だが人のことを言えない黎だ。
黎と真紅の馴れ初めも特殊だから、告白の上に付き合い始めたわけではない。
もっと言うなら、『いつから付き合っている』とはっきりと言えない。
そんな関係で始まったから、真紅から『好き』の一言をもらえたときは舞い上がるほど嬉しかった。
真紅に対して誠実でいたいから、黎も言葉を欠いてはいけないのだと自分に言い聞かせる。
「……明日、海雨ちゃんに――
「明日から別の病院で実習」



