「わたくしと姉様の安住の地に這入ろうとは。いかな妖異といえど斬りますよ」 「わーっ! 紅緒様違いますっ! 猫です! 虎ちゃんとこたちゃんのお母さんが霊になって帰って来たんですっ」 「あの三毛猫だと言うのですか? ……その小埜黎、耳が生えていますね」 紅緒はため息とともに刀を退いた。 腰に佩(は)いていたような動作で戻すと、見えない鞘にでも吸い込まれるようにすっと消えた。 「霊獣というわけですか」