好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


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庵の自室で目を覚ました真紅は、ふっと枕元に手をやった。


そこに、摑むべき何かがあった気がする……


「ん?」
 

もふもふする。


「なんか置いたっけ……?」
 

寝ぼけまなこだった真紅は、もう片方の手で目をこすって、寝返りを打った。


今度はうつ伏せの格好で、枕元――未だにもふもふを触っている手の方を見た。
 

三毛猫がいた。


《お起きですか? 巫女様》


「………」
 

もう一回寝るか。
 

そう決めた真紅が手を引っ込めようとすると、今度はふにふにした感触が真紅の手に触れてそこへ留めた。


《巫女様は寝起きがお悪いようですね。この紅(べに)、いっそ巫女様とお布団にくるまりたいところですが、巫女様、今日も学び舎へ行かれませんと》


「………」
 

猫に叱られた。


そして真紅の手を押さえたのは肉球だった。