「神の末席に名を連ねる。霊獣(れいじゅう)と呼ばれる場合もあるけど、こいつはそれではないな。涙雨、だから白は大丈夫なんだな?」
『ゆえ。母猫は、現世に生きたことでほぼ神気(しんき)を失うておる。じゃが、生まれたばかりの仔猫は、うまく保護すれば神獣として格をあげるじゃろうて。
それには、陰陽師として出来ている若君と白のひ――若君の傍に在るのがよかろう。その猫たちは、ただの動物ではくくれぬ生き物じゃ』
涙雨は口が軽いのだろうか。また『白の姫君』って言いかけたよ。
「私じゃダメなの?」
真紅が問うと、涙雨はゆうるり首を横に振った。
『真紅嬢はまだ、陰陽師として不安定。神獣の面倒まで見切れんはずじゃ。仔猫の神獣とて、霊力がある。修行中の真紅嬢がそれにあてられては大変じゃ』
どうやら、この仔猫は真紅の傍には置いておけないようだ。
真紅はそっと、仔猫を舐める母猫の頭に手をかざした。感じる、波動。



