「でも白ちゃんって――」
「たぶん、仔猫の方は大丈夫ですよ。黒藤、涙雨は帰ってきていますね?」
「……お見通し過ぎて怖いですよ、母上」
黒藤はため息をつきつつ、左掌を差し出した。紫色の小鳥がぽんっと現れた。
『紅緒嬢よ、涙雨に尾行をつけるのはおやめくだされ』
「わたくしの式は別に探しに出しただけです。たまたま行先が同じだっただけでしょう」
紫色の小鳥が文句をつけるが、紅緒はどこ吹く風で気にしない。
『真紅嬢よ、その三毛猫の仔は、若君と白の姫君に任された方がよろしいかと涙雨も思う。神獣(しんじゅう)の末裔(まつえい)の三毛猫ゆえ』
「しんじゅう……?」
真紅が呟くと、黒藤が応じた。



