「んー……ちょっとお社、もう一階見てくる。無炎さんが、『お前の感覚を優先しろ』って言ってるから」
無炎からの言伝は、真紅が感じた異変は自分には確認出来なかった。
だが、真紅は理屈より感覚の方が優れていることを理解しているので、そう書いて来たのだ。
「真紅ちゃんが行くなら俺も行きます」
シャッとカーテンを開けて姿を見せた。
「寝てなさい!」
すぐさま真紅が怒鳴ってカーテンを閉め返すが、架は手を離さなかった。
「俺の役目は俺が果たすだけだよ。せめて真紅ちゃんに式が出来るまでは、俺が護衛する」
「…………」
真紅は半眼で架を睨むが、ちらともひるまない。
「真紅ちゃん、わたしも行っていい?」
「!」
百合緋の言葉に肩を跳ねさせたのは架だった。



