何回目のキスだろう。 何故か機嫌のいい黎に面喰いつつ、真紅はそろそろ自分がいる場所を思いだして来た。 「俺が逢いたくて来てるんだ。それは否定しないでくれ」 「う、うん――ごめん」 「ありがとう、のが嬉しいかな」 「あ、ありがとう……」 要望通りに言うと、黎は目を細めて微笑んだ。 でも、真紅の中では何か足りない。 言わなくちゃ。 「私も、黎に逢えるの、嬉しい」