ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】




僕らは場所を変えた。木の周りを囲むように設置された金属のベンチに。

「あ゛ぁーさびぃー」

僕は途中までこれしか言っていない。

一生懸命に話をするのは彩矢香だった。

誰にでも手を差し伸べる彼女は、キリストの生まれ変わりを産みそうだ。

「いい加減にしてよ! 鏡を使えば助かるんだってば!」

「…………」

「そんなに死にたいの⁈ ねぇ゛、お願いだから……」

どんな状況や理由であれ、彩矢香を悲しませるヤツには黙っていられない。

「どうせ、あれだろ? ずっと思ってたんだけど、余裕ぶっこいてんだろ?」

「余裕? どういう意味?」

「大貫は許してくれるってさ。なんてったって、お前ら幼なじみだもんな!」

「は゛⁉」

康文はこの響きに過剰な反応を示すと知っていた。

彩矢香がダメなら、こういう手しかない。

「勘違いすんなよ。お前に呪いをかけているのは伊達磨理子で、お前を助けるのは僕たちだ。大貫は一切関係ない!」

「っ……」

「だから、いつまでもいい子ぶってないで、言うこと聞けよ゛!」

「…………」

僕の言葉に圧倒されたのか、康文は口を開かなくなった。

しかし、理解したわけでもないご様子。

「タツミ……お前は俺のことなんて一生わからないだろうな。行くよ」

「いやいや。アホぬかすな! お前が僕を理解しろ!」

「たっちゃん!!」

去ろうとする康文を追いかけようとしたが、彩矢香に強い力で止められた。

「な゛んでもっと優しくできないの⁈ 本当にヤスのことを心から考えてる!? もう私が話すから、あっち行ってて!」

「ぇ……」

「寒いんでしょ? これであったかい飲み物買ってきてくれる? 3人分」