ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】




そんなこともあってか、玄の遺体は余計に哀れだった。

身体はズタズタで、時計から財布の中身や、金目の物はすべて奪われているらしい。

顔に傷ひとつなくキレイなのが唯一の救いだ。

「ニュースでは怨恨の線が濃いと言ってるけど、実際は物盗りの犯行かもしれない」

「復讐の騎士団じゃないんですか?」

「一応もっとも有力な線としてるけど、どうかな……」

あいつらは、新世界を作り上げるという大義があって動いている。

「そういう奴らには犯罪にも一貫性があってね、金品を盗むなど考えられないんだよ」

謎に包まれた玄の殺人。

総評すると、どうでもよかった。いやむしろ、よくぞやってくれた!と犯人を心の中で称賛する僕がいた。

「戻ろうか」

斎藤の声かけで、僕らは地下1階から合同捜査本部のある2階に戻る。

「実は、もうひとりの被害者についても訊きたいんだ」

そこで、浜田が1枚の写真を見せてきた。

東京じゃ考えられない大草原。もっと言えば、日本とは思えない地平線が広がっている。

「ここは?」

「山口基弘くんが遺体で見つかった現場だよ」

「「え⁉」」

とあるサファリパーク内、出勤してきた従業員が第一発見者だった。

木に吊るされていた山口は、その肩から下がなく、顔は人間とは思えないぐらい歪んでいたらしい。

「遺体をまだ解剖してないからあれだけど、多分生きたまま喰われたんだろう」

「喰われた?」

木があった場所は猛獣エリア。すなわち、そこの住人に。

「むごい……」

「…………」

見せられないという浜田の配慮があっても、聞くだけで十分に惨たらしかった。

「一匹を殺処分して調べるそうだ。その…」
「もういいです! わかりました」