「大貫……」
死してなお、彼女は僕らの前にまたも現れた。
そして、伊達磨理子も。
「公に彼女の名が出てきたから、僕も捜査に駆り出された。上は是が非でも伊達事件を風化させたいからね」
この声明文は、FAXで報道機関すべてに送られているらしい。
テレビ局はどこもゴールデンタイムに臨時ニュースへと切り替え、羽田の騒然とした雰囲気を中継すると共に、声明文を読み上げた。
「日本中が大騒ぎだよ……」
宇治木は拳を手のひらにぶつけ、悔しさを露わ。
何より、彼は期待していたようだ。
「敬太君じゃないみたいだし……まいったな」
そう言うと、両手で脇を掴んでうなだれた。
「いや、ある意味よかったのか……」
僕らはそんなことより、山口の安否が気にかかる。
「警視正! これを!」
その時、テーブルに5台並ぶパソコンのひとつを操る捜査員が、宇治木を呼んだ。
ほどなくして、今度は彼が僕を呼びつける。
「キミの友達はこれか?」
画面には、監視カメラの映像が流れていた。
指をさす部分に4人組が見える。不鮮明で顔はわからないが、服装ならすべて一致する。
「です! 真ん中にいるのがそうです!」
「このあとはどこのカメラだ⁉」
僕と宇治木は右へ左へ移動し、最後に彼らが映った監視カメラに行きつく。
「くそッ、他にも仲間がいるのか……」
外へ出たのと同時に、あの車がつけた。
車内から仲間とおぼしき男が2人出てきて、抵抗する山口を囲み、強引に乗せてすぐに走りだす。
「6⁈」
僕はずっと、ヤツらは3人だけだと思っていた。
しかし、運転手に新たな2人。全員で6人もいる。



