ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】




脅されていると暴露すれば、玄はふたりから正式な聴取を受けるだろう。

だがそれだと、被害者の彩矢香も脅された理由を訊かれることになる。

ただでさえボロボロの彼女に、またも過去の汚点を思い出させるのは酷だ。

僕の答えひとつで、それを回避できるなら。

「はい……」

今は、グッとこらえるしかない。

「なーんだ。空振りか……」

ふたりの興味が薄れた拍子に、僕の肩をポンポンッと叩く玄。

その憎たらしい顔を、必ず歪ませてやる。

僕はそう心に誓った。

「「ご苦労様です!」」

一瞬にして、捜査員たちに緊張が走る。

「「警視正!」」

「宇治木さん……」

彼の登場によって。

「犯人たちの行方は?」

「は! 現在も空署の捜査員が捜索中ですが、未だ見つかっておりません!」

「空港外は少数で構わん。中の捜索に割け。一刻も早く解決するんだ!」

「「「はい!!」」」

一気に人が減って視界が開き、僕は宇治木と目が合う。

彼は驚いた様子で、こちらに歩み寄ってきた。

あんなのを見せられたら、自然に背筋がピンと張る。

「なぜキミがここに?」

「友達を見送りにきたら、銃を持った3人組が現れて……その友達は連れ去られました」

「まさか、覆面の⁈」

「いいえ。今回は全員が素顔を曝してました。残念ながら、大橋さんじゃなかったです」

「そうか……」

「宇治木さん、現場にはあまり出なくなったって言ってたのに、今日はどうして?」

すると彼は、ジャケットの内ポケットから1枚の紙を取りだし、

「どうせ拡散されるから、これを見せても捜査漏洩にはならない」

と、僕に手渡す。