その声の主は、
「浜田さん!」
彼と、
「もう逃げられないぞ!」
相棒の斎藤だった。
——ザワザワ
《「これヤバくない?」「ガチの警察?」
「写メ写メ!」》
ザワザワ——
山口は思いもしなかっただろう。
この状況は、ハリウッド映画さながら。
そして、自分が主人公になるなどと。
「早く銃を捨てろ゛っ!」
続々と駆けつける空港警備隊。
あっという間に、3人組は包囲された。
ヤツらにしたら絶体絶命だが、それでもまったくと言っていいほど動揺を見せない。
こいつらは本当に血の通った人間か。
「ふっ、ニッポンバンザイね」
理由があるとすれば、これだろう。
「キミたちを逮捕する。抵抗はよせ!」
登場時から高々と掲げる、正義の紋章。
武器はそれと、恐れをなして囲んでいる警棒だけ。
もう一度言う。ここは平和ボケした国、日本だ。
「またね。水嶋辰巳くん」
「ぇ⁉」
次の瞬間!
——バァー――ンッ!!
天井に向けるたった一発の銃声が、
「「キ゛ャア゛ァ゛ァァーーーッ!」」
炎なき戦場を作り出した。
蜂の巣を蹴飛ばしたように、パニックとなる大衆。
僕らもそれを払うのに躍起だった。
「みなさん落ち着いてぇーーっ!」
「冷静に゛!!」
ガラスが地上に落下したそのときにはもう……。
「いない⁈」
ヤツらは消えていた。山口もろとも。



