ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】




「俺と結婚するなら誰も傷つかずに済む。そう言ったんだな?」

「……ぅん」

許せない。

「ア゛イ゛ツ゛……」

似てもいない。今度は、正真正銘の殺意が湧く。

僕は部屋を出て、玄を捜した。

「あら。そんな恐い顔してどうしたの?」

「お母さん……あの、さっき来たヤツは?」

「庭にいるんじゃないかしら」

急いで靴を履き、庭に出る。

「玄!」

こいつにはもう、あだ名など必要ない。

「おぉ……その顔は、聞いたんやな」

余裕の笑みを浮かべて答えるヤツに、僕は突進した。

「てめ゛ぇ゛――!」

大事なことを忘れるほど無我夢中で。

「ぐはッ!」

刹那的な天変地異。

——……。

気付けば、一番星を地面と同じ目線で見ていた。

「受け身ぐらい取れや」

そう、こいつは柔道の黒帯だ。

「ぬ゛っつッ……」

内臓が揺れる中でヤツは、僕の両腕を足で押さえ、馬乗りになる。

なんとも皮肉な結果だ。

「どうせお前も、財産目当てなんやろ?」

「ッく……」

「知らんやろな。ホンマは、オレもずーっとサヤが好きやってん」

「ぐぬぬ゛っ!」

「あんなええ女、そこらにはおらんやろ。んでもって、大金持ちや!」

「こッ゛……殺してやる゛!!」

「ハハハッ。この状況でよく言えるな」

「ねぇ! 何してるの⁉」

いつの間にか、玄関の前に彩矢香がいた。

こんな姿を見られて、僕のプライドはズタボロだ。